静岡県立大学「静岡学生NGOあおい」スペシャルインタビュー

21年の歴史を持つ学生団体が見つけた「国際協力」の新しいカタチ〜あおい代表 堀田裕貴氏&くさべ氏スペシャルインタビュー

2004年に設立された静岡学生NGO「あおい」は、21年間にわたり、カンボジアの子どもたちに焦点を当てた支援活動を続けてきました。長きにわたり活動を続ける中で、彼らは「学生だからこそできる国際協力」を模索し、活動の転換期を迎えました。特に近年はカンボジアが抱える深刻な虐待問題等にも取り組みつつ、現地のニーズに応じた支援の形を追求しています。

先日も、静岡学生NGOあおいのメンバーが遥々日本からカンボジア日本友好学園へ御来訪され、日本語学科の生徒達へ日本語指導を行って頂きました。

今回は、現代表の堀田裕貴氏とメンバーの草部百伽氏に、サークルが直面した課題、そして国際協力への熱い想いを、Q&A形式で掘り下げてお話を伺いました。

難民ニュースと7,000kmの旅が教えた原点

—— 大学で国際関係学部を専攻されているそうですね。まず、国際協力に興味を持ったきっかけや原点について教えてください。

堀田さん:私が国際協力に興味を持ったきっかけは、中学生の頃テレビで見た難民のニュースに同年代の子どもたちが映っているのを目にして、同じ年代なのに生まれた地域が違うだけでこんなにも苦しそうな思いをしている人がいるのか、彼らや貧困などで苦しむ人に手を差し伸べられるようになりたいと思った」ことがきっかけです。

草部さん: 小学生の頃、担任の先生から聞いたカンボジアの話を聞いていました。そして小学5年生の夏に家族でカンボジアを訪問し、生きるために物を売る子どもの姿を目の当たりにしました。この経験から、「行きたいのに行けない」ではなく、「やりたいことをできるようにしてあげたい」という思いが原点になりました。

〜カンボジア日本友好学園にて〜

「お金だけの関係」からの脱却と活動の転換

—— 21年の活動の中で、団体として大きな転換期を迎えたと伺っています。従来の資金提供から、活動の軸を変えたのはなぜでしょうか?

堀田さん: 静岡学生NGOあおいの活動に参加した時には既にNGOとカウンターパート契約が結ばれており、活動費の資金提供を行っていました。1年生の活動中に契約満了を迎え、契約継続を議論した際、部員から強い疑問の声が上がったんです。「先輩方があおいと結んだカウンターパートだが、お金を送るだけの活動はあまり貢献できているという実感が湧かず好ましくないのでは」、と。

草部さん: 資金提供という形だけでは活動への実感が薄く、モチベーションを維持できない部員もいました。組織全体として「自分たちが主体的に関わっているのか?」という不安があったのが事実です。

堀田さん: この疑問をきっかけに、私たちは従来の契約の形を一旦見直しました。そして、「企業ではなく、学生の強みを活かした国際協力とは何か」を模索した結果、活動の軸を「教育」、「性的虐待」、「児童労働」の3つに絞ることにしたんです。

—— 「性的虐待」は非常にデリケートな問題ですが、具体的にどのような活動をされていますか?

堀田さん: カンボジアでは、売春などの性的虐待で非常に辛い思いをしている少年少女達がいます。私たちは、特に男子に対する性被害防止に取り組んでいる現地NGO団体「First Step Cambodia(FSC)」とともに活動をしていたので、プロジェクト費用として、静岡駅地下での街頭募金などで100万円を超える学生が用意するには大きすぎる額を集めるなど、資金提供に留まらない、現地NGOの活動を支える主体的で責任感のある支援へと変わっていきました。

〜静岡学生NGOあおいのメンバーと、カンボジア日本語学科の生徒達〜

遠慮なく「ぶつかり合う」学生の強み

—— 活動転換の過程で、国内での連携や「カンボジア日本友好学園」との出会いもあったそうですね。

堀田さん: はい。「学生の強み」は何かを考えた結果、国内での横のつながりづくりも始めました。他の学生団体との交流や、マザーハウスさんの店舗訪問などです。この取り組みの中で、「じゃあ、学生にできることをしよう」という新たな指針が生まれます。

そして夏、友好学園の針田氏から「お金ではなく、日本語の先生として来てみないか?」というお誘いをいただきました。「モチベーションアップや日本のよさを発信して欲しい」という言葉は、私たちの新しい指針と完璧に繋がりました。

—— 草部さんが考える「学生の強み」は何でしょうか?

草部さん: 学生の一番の強みは、熱意と、自分たちの意見を遠慮なく主張し、行動に移せる力だと思います。企業や大人の組織とは違い、自分の思いを素直にぶつけ、本音でぶつかり合って活動を作っていけることです。

〜あおいのメンバーが持参した日本語かるたでカンボジアの生徒達と楽しく日本語を学ぶ〜

—— 最後に、次世代を担う後輩たちに、お二人が伝えたいことは何でしょうか。

堀田さん: 次の代がやりたいことをやるのが一番です。友好学園が目指す「自立」には、「教育」という持続可能な基盤が不可欠です。毎日探究心をもって過ごす方が有意義であり、その結果、人生が変わるのではないかと思っています。また、自分達に出来る事と相手から求められる事のバランスを考え、その上で今までの先輩達の活動にとらわれる事無く自由に活動して欲しいと願っています。

草部さん: 人それぞれ、やりたい国際協力のありかたが違います。だからこそ、みんなが自分のおもう国際協力をばんばん出して、遠慮するんじゃなく、ぶつかりあいながら実行してほしいです。個人の意見をもっと主張して、本音で議論することで、より良い活動が生まれると信じています。

設立から21年。常に活動のあり方を問い続け、より主体的で現地に寄り添った支援へと進化する「あおい」。彼らの熱意と行動力が、遠くカンボジアの地の子どもたちの未来、そして彼ら自身の成長に大きな影響を与え続けていくことでしょう。これからの活躍に期待です。

静岡学生NGOあおい

https://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/guide/sdgs/club/aoi/

インタビュー:GridJapan 飛峪龍一

e-FADでは御寄付/御支援を募っております。皆様からの暖かい御支援をお待ちしております。

寄付/支援はコチラ。

ブログ一覧へ