10年20年の継続を〜e-FAD代表ペトラ氏スペシャルインタビュー

e-FAD代表ペトラ氏(TOUCH PHEAKTRA)は、カンボジア日本友好学園を卒業。農業大学卒業を経て様々なボランティア活動を行い、ブンティ氏らと共にe-FADを立ち上げられました。

そんなペトラ氏に、e-FADとしてどの様な考えで活動をされているのかインタビューする機会を頂きました。ブンティ氏のご自宅の近くにある小さなカフェで、e-FAD活動への想いについてお話を伺いました(通訳:ブンティ氏)。

7kmの通学路が教えてくれたこと

ペトラ氏はカンボジア日本友好学園の卒業生。当時は道路がとても悪く、通学は片道7km、雨季には道が泥でぬかるんだり、道が消えたり、自転車を押して通学する事もあったそうです。ときには朝4〜5時に出発しなくちゃいけなかったとか。教科書が泥で汚れないように袋に入れて大切に扱い、学校に着けば、朝礼の後に清掃を率先して行う——そんな日々を過ごしてこられました。

「当時はバイクなんて手が届かなくて、自転車を買ってもらえたときは本当にうれしかったんです。どこまでも自分の力で進めるその感じが、“自由”そのものでしたね。」

友好学園でのこうした学生生活を通じ、規律や段取りを学んだ経験は、今のe-FAD活動におけるマネジメントにも活かされているといいます。

農業の現場で見えた“価格の壁”に挑む

農業大学出身のペトラ氏は、お米づくりを中心に農業基盤の構築に携わってこられました。そんな農家の現場で問題となっているのが「価格の不安定さ」…。プレアスダッチ郡では米を収穫しても生活は厳しく、籾(もみ)のままベトナムに売りに行っても、思ったほどの価格にならないことも……。

「作る前から“儲かる見通し”が持てて、収穫後は価格のブレを抑えられる——そんな仕組みが必要です。品質と流通をそろえ、必要なら精米・加工まで整えたいのです。」

e-FAD活動の一貫として農業改革に取り組むペトラ氏。教育も農業も鍵は同じ「選択肢を増やす」こと。生産技術、適正な市場アクセス、付加価値化まで道筋が見えれば、若者は地元で挑戦できます。プレアスダッチ郡で生きる人々に働きがいや経済成長をもたらすe-FAD農業改革に期待です。

日本語教育は“道をひらくインフラ”

e-FADは日本語教育高校を支援しており、またプレアスダッチ郡の周辺地域でもボランティア活動を行っています。1〜2年以内には新しい学校の開設も視野に入れています。

そんな中、今の課題は日本語教育——日本語の先生が足りないのです。

ブンティ氏とペトラ氏

「日本語を学んだ生徒は、挨拶がきちんとして、礼儀も身につきます。日本語は“良い社会”を育てる素地になります。もっと多くの若者に学んでほしいのです」

質の良い日本語教育の為に活動資金を集め、日本人の先生を拡充する活動を行っています。

昨年は2人の生徒さんが日本の大学へ進学しました。モデルケースが生まれると、「次は自分も!」と背中を押される子が増えていきます。日本語を通し、こういった好循環サイクルを作り出す事も、e-FADの大切な役割です。

10年、20年続けるために——“やめない”という約束

資金が多ければできることは増えます。でも、少ないからといって歩みを止めない。その覚悟が、ペトラ氏のe-FAD活動を支えています。

「資金がなくても何もしない理由にはしません。ゼロからでも何度でも始めます。小さくても止めません。」

「私たちのゴールは、NGOが目立つことではありません。若者がより良い選択をできる社会をつくることです。」

最後まで一貫していたのはブレない姿勢でした。ゼロからでも今日できる一歩を——その積み重ねが未来を変えるのだと、熱く語って頂きました。

コン・ボーン氏が創設したカンボジア日本友好学園。その卒業生であるペトラ氏が、e-FAD創設者コン・ブンティ氏からの熱い薫陶を受け、e-FADの原動力としてプレアスダッチ郡の発展を応援し続けます。

インタビュー:GridJapan飛峪龍一

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